★公開日: 2022年6月25日
★最終更新日: 2022年6月25日

こんな方のお悩みを解決します
  • 飲食店のゴキブリ駆除を専門業者に依頼しているが、余り効果が出ていない
  • だから今、依頼している駆除業者を変えようかどうか迷っている
  • 何故、専門業者に頼んでいるのにも関わらずゴキブリがいなくならないのかを知りたい

「プロが飲食店に教える完全ゴキブリゼロ(Gゼロ)対策」。
今回は、「現在、ゴキブリ駆除を専門業者に委託しているけれど、効果が出ていないのではないか」と考えられているお店の方に対してのお話です。

何故、あなたのお店ではゴキブリの生息が止まらないのでしょうか。
何故、折角お金を払って専門業者に依頼しているのに、ゴキブリが生息しているのでしょうか。

これって実は、どこにでもよく聞く「ゴキブリ駆除超あるある」話です。
そこで今回は、この「ゴキブリ駆除業者に委託しているのに効果が今ひとつ問題」について、プロとして踏み込んでお話していくとしましょう。

この記事のレベル
    • 初心者度: 4 out of 5 stars (4 / 5)
    • 重要度 : 5 out of 5 stars (5 / 5)
    • 専門性 : 3 out of 5 stars (3 / 5)

 

執筆者紹介と本日のポイント

まずは、いつも通りにご挨拶から。

プロフィール
高薙先生(Twitter)

…とまあ、こんなぼくがこの記事を書いてます。

さて。
最初に今回のお話のポイントを、お伝えいたします。
これらを念頭に置いて、お話をどうぞ読み進めてください。

この記事のポイント
  • ゴキブリ駆除を専門業者にお願いしているのに効果が低いのは、「ゴキブリの完全駆除」が出来ていないから
  • 「ゴキブリの完全駆除」を行うためには、「お店」「専門業者」「双方の本気」が欠かせない

それでは、早速ながら本題に入っていくとしましょう。登場人物紹介

何故ゴキブリの生息が止まらないのか

若大将
若大将
高薙先生、
飲食店仲間から、「ゴキブリ駆除を専門業者に任せているのだけど、一向にいなくならない」というボヤきを時々聞くことがあります。
これって、どうしてなんですか?
うーん、それは鋭い質問だね。
だけどこの質問にはぼくも、少しばかり手厳しいことを答えないといけなくなる。
高薙先生
高薙先生
とはいえ基本的にこれについては、たった一つの回答しかない。
専門業者とお店の両方に、「どこまで本気でゴキブリを止める気があるかどうか」
これに尽きると言ってもいいだろうね。
高薙先生
高薙先生

今回のお話は、既に専門業者にゴキブリの駆除を依頼しているお店についてのお話です。

専門業者にゴキブリの駆除をお願いしているのだが、どうも効果が見られない気がする。
それほどまでに減っていない気がする。
というか、ずっと生息が続いている。

あるいは、たしかに専門業者が来たときには、ゴキブリの死骸が散乱しているから、それなりに駆除しているのだろう。
もしくは、死骸がなくとも、たしかに減ったような実感はある。
だから、まるっきり効果がない、というわけでもなさそうだ。

でも、しばらくすれば再びまたゴキブリの巣窟となってしまう。
これは一体何故だろうか。

はっきり言って、こういうお店は少なくありません。
ではどうしてこうしたことが起こるのでしょうか。

食ネコ
食ネコ
世には、「ウチは専門業者に依頼している」と言いながら、その実こういうゴキブリとの「モグラたたき」や「イタチごっこ」をしている飲食店というのは、数多く存在するんだにゃ。
挿画:効果なし

本気でゴキブリを止める気があるのか

ちょっとここで若干違った角度からのお話を挟ませてください。
大丈夫、しっかりと上のテーマに関わるお話です。

実を言うと、今回、そして次回と、2回にかけて「ゴキブリ駆除業者の正しい見分け方」についてお話していく予定でした。
ですが、その前にまずそもそもとして、その「見分ける」とは「何を見分けるのか」についてお話をしなければならない、ということに気づいたのです。
何故なら、その最初のスタートの基準がないと、何をどう見分ければいいかがわからないからです。

そもそも、ゴキブリ駆除業者の「いい」「悪い」はどこで評価すればいいでしょうか。

確かに色々と挙げる基準も、ないわけではありません。
例えば、金額が安ければ安いほどいい、という基準も世にはあるかもしれません。(勿論、ぼくはそうは思いませんが)
「ウチは業者に頼んでいること自体が重要なんだ」となれば、名の通った大手業者が良くて、聞いたことのない小規模業者はダメと見る方もいるかもしれません。(勿論、これもぼくはそうは思いませんが)

ですが、ぼくにとってはプロの一人として、これだけはブレてはいけない、という一点の基準があります。

それは、
「ゴキブリの生息を止められるかどうか」
ということに尽きます。

もう少し踏み込んで言うなら、つまりこのことは、
「本気でゴキブリの生息を止める気があるのか」
ということを意味します。

ちょっと今回は本音を出すので、同業者や身内にも手厳しいことをお話する覚悟でいます。
同時に、お店さん側についても、同様の厳しいお話をするかもしれません。

正直、飲食店のこのゴキブリ駆除というのは、全てが全てとはいいませんが、しかしそのほとんどが薄利多売なビジネスです。
少なくとも、ぼくの専門である食品工場の衛生管理業務に比べれば、薄利多売を否めません。
やってなんぼ、幾店も片付けて、ハシゴしてなんぼ。
こういう駆除業者は山ほどあります。

その結果、どうなるか。
一つ一つのお店の駆除というのが、ルーチンワークになりがちです。

言われたこと、決められたこと、定められたを、ひたすらに重ねる。
多くのゴキブリ駆除業者というのは、それで利益を増やすというビジネスモデルで経営を行っているのが現状です。

すると、作業員は、どうなるか。
別にゴキブリが止まらなくても、すべき作業をすればいい、になりやすくなるんです。

ただ、殺虫剤を散布する。
ただ、駆除剤を塗り付ける。
やがてこの「ただ」が横行するようになります。

だからゴキブリが止まりません。
そもそもからして止める気がないので、当然ですが、止まりません。
生き物相手の商売というのはそういうものです。

時々聞く、業者が他業者を貶めるポピュラーな言い分として、こういうものがあります。

「彼らはゴキブリがいなくなると仕事がなくなるので、逆に完全にいなくなると都合が悪いんだ。」

これ、実はそんなことは全くなくて、単にただ自分のところと他業者を差別化させるために吐いている嘘八百、デタラメです。
俗に言う、「ポジショントーク」ってやつですね。

大体、次から次へと来る依頼に対し、「完全にいなくさせないように」するなんて、キリがありません。
業者側だって、腕がいいと評判になったほうがいいに決まってますし、その方がその効果のぶんだけ高額のビジネスが出来るようになります。

というか普通に考えて、そんな一作業員がそこまで経営を考えて現場を回っているわけないじゃないですか。
寧ろそんな作業員はめちゃくちゃ経営者マインドで意識高いですから(笑)、ルーチンで現場を駆け巡るようなことはしないでしょう。

では実態は、どうか。
どうしてお店からゴキブリがいなくならないのか。
そうじゃなくて、純粋にゴキブリの生息を「止める気がない」から「止まらない」んです。
それだけです。

挿画:ポイント

誰の「止める気がない」のか

と、ここまで話をすると、「そんな止める気がない業者に依頼するなんて、けしからん」となるかもしれませんね。

違います。
【純粋にゴキブリの生息を「止める気がない」】のは、駆除業者ではなくて、お店さん側のことでもあるのです。

「そんな、わざわざお金を払って依頼をしているのに、止める気がないとはどういうことだ!」

そこです。
お金を支払ったのだから、全部丸投げ。おまかせ。何もしない。
ちょっと申し訳ないのですが、でも事実としてそれこそが「ゴキブリの生息を止める気がない」ということです。

さあ、ここでようやく本来の最初のテーマに戻るとしましょう。
どうして、「折角、お金を払って専門業者にゴキブリの駆除をお願いしているのに、効果があまり出ていないように思うのか」。
どうして、「確かに一旦は減るようにも思うのだけど、またすぐにゴキブリが増えてしまい、そのことの繰り返しなのか」。

答え自体は、簡単です。
結論から言うなら、「ゴキブリの完全駆除が出来ていない」からです。
だから、一旦の生息数は減るのだけど、いなくさせることが出来ないから、またぶり返しているのです。

そして結論から言えば、これはその完全駆除を求めながらも自分は何もしない、手もお金も出さない「お店側の本気不足」と、だから完全駆除を諦めている「業者側の本気不足」という、「2つの本気不足」による要因によって生じている問題なのです。

何故ゴキブリの完全駆除が出来ないか

そもそも「ゴキブリの完全駆除が出来ない」のは何故でしょうか。
考えられることは次の通りです。

ゴキブリの完全駆除が出来ない理由(PDCA上の不具合)
  • 駆除業者の駆除方法の選定が適切でない(P)
  • 駆除業者の駆除作業の頻度、回数が不足している(P)
  • 駆除業者の駆除作業が、ゴキブリの生息箇所に届いていない(D)
  • 駆除業者の生息確認が適切でない(C)
  • 駆除業者の対策提案がなされていない、提案を受け入れていない(A)

と、このように書いてみると「ほら、やっぱり駆除業者が悪いんじゃないか」というように思えるかもしれません。

ですが、そもそも駆除方法や生息確認が適切でなかったり、頻度や回数が不足しているのは、コストを削ったものを選んでいるから、ということもあるでしょう。

また駆除作業がゴキブリの生息箇所に届いていないのは、清掃不足や構造、設備的な問題がそこにあるからです。それは業者側ではどうしようもありません。

更には提案を受け入れない、となれば問題は解決されることもないでしょう。

では、これらの理由を「業者側の問題」と「店側の問題」とで区分けして考えてみるとしましょう。

ゴキブリの完全駆除が出来ない理由(PDCA上の不具合)
  • そもそも完全駆除が出来ないレベルの金額しか払っていない、そういう格安の駆除プログラムを選んでいる(P):店側の問題
  • 完全駆除出来ないような施工をしている(D):業者側の問題
  • 完全駆除出来ない未熟な技術者が作業している(D):業者側の問題
  • 完全駆除が出来ない効果判定をしている(ピントのズレた効果判定をしている)(C):業者側の問題
  • 完全駆除出来ないような設備構造上の問題(ハード面の対策)を放置している(A):店側の問題
  • 完全駆除出来ないような環境整備(ソフト面の対策)を怠っている(A):店側の問題
  • 完全駆除をするための提案をしない、聞かない、対応しない(A):双方の問題)

いかがでしょうか、これ。
実はこれって、半分はお店側に問題がある、というのがわかりませんか?

清掃もしない、水切りもしない、修理も補修もしない、何もしない。
業者に対して協力もしないし、ぞんざいな対応しかしない。
断言しますが、こういうお店はいくら優秀なゴキブリ駆除業者が来ても、絶対にゴキブリは止まりません。

ゴキブリを止める、つまり完全駆除を行うためには、業者とお店側の双方の「止める本気」が、絶対的に必要です。
何もせず、業者からの提案にも答えず、全部を全部任せて「ゴキブリが止まらない」というのは、これは業者ではなくお店側のほうに原因があることが多いものです。

そもそも、そういうお店には、専門業者は本気を出しません。
やっても無駄なことをよく知っているからです。
やっても無駄なところには、やっても無駄なことしか出来ません、やりません。

結果、どうなるか。
こういうところは、駆除業者が来れば一旦は大量のゴキブリの死骸が出て、なんとなく効果が見えたように思えます。
ですが、しばらくすればまた同じような状況に戻ります。
この繰り返しです。

プロの「本気」は店の「本気」だけが引き出す

では、こういう場合はどうすればいいか。

他の業者に依頼を変えればいい。
多くのお店は、このように考えることでしょう。
ですがこれ、断言してもいいですけど、よっぽど業者がヘマしてなければ結果が変わることはほぼないでしょう。

何故なら、新しい依頼先も同じ土壌のプロですから、同じように「やっても無駄」だと判ればやがて本気を出さなくなるからです。

なので、ここですべきことは至ってシンプルです。
あなた自身が本気になる。これ以外ありません。

ゴキブリという存在は飲食店の経営リスクなのだ、と捉え直し、じゃあ本気でそのリスクを低減させるためにはどうすればいいか、と取り組み直し、今まで単に業者に任せっぱなしだったゴキブリ駆除というものを、改めて自分のお店の問題なのだと考えてみる。

その上で、依頼している専門業者が来た際に、まずはそのことを話して相談してみるといいでしょう。
「どうすればゴキブリは止まって出てくることがなくなるのか。そのためにはお店側はどうしたらいいのか。」
と。

その上で、先に挙げられた理由を、次のようにつぶし、改善していくのです。

ゴキブリの完全駆除をするために必要なこと
  • 完全駆除に向けた仕様の再設計(何故完全駆除が出来なかったかの原因と現状評価、改善計画の立案)(P):業者の対応
  • 完全駆除が可能なレベルの施工に増額する(P):店側の対応
  • 完全駆除が可能な施工手法に切り替える(使用薬剤や作業方法、作業箇所の見直し)(D):業者側の対応
  • 完全駆除が可能なスキルや知識を備えた技術者に変えてもらう(D):業者側の対応
  • 完全駆除のため効果判定の精度を高める(C):業者側の対応
  • 完全駆除が可能なように、設備構造上の問題を補修、改善する(ハード面の対策)(A):店側の対応
  • 完全駆除が可能なように、環境整備、清掃強化を行っていく(ソフト面の対策)(A):店側の対応
  • 完全駆除が可能な対策提案を行い、その導入について協議していく(A):双方の対応

これらを行うつもりで、話し合いを業者にもとめてみるといいでしょう。
そしてそこでまともな回答をしてこない業者だったら、この時点で改めて契約先を考え直してみるべきだと思います。

挿画:Gは何故止まらないか

まとめ

今回は、すでに専門業者にゴキブリ駆除を依頼しているのだけど、どうも効果が見えづらい、一向によくならない、ゴキブリの生息が止まらない、というお店に対し、プロとしてその本当の「理由」をお話いたしました。

結論を、ここでまとめましょう。
どうしてこのようなことが起こるのか、それは「ゴキブリの完全駆除が出来ていない」から起こる現象です。

そして、そうしたことは「業者側の本気」「店舗側の本気」という、ゴキブリの完全駆除に対しての双方の「本気」がないがゆえに起こる、ということを、ここでは解説いたしました。

具体的にその理由を、「業者側の問題」、「店舗側の問題」として整理してみると、次の通りになります。

ゴキブリの完全駆除が出来ない理由(PDCA上の不具合)
  • そもそも完全駆除が出来ないレベルの金額しか払っていない、そういう格安の駆除プログラムを選んでいる(P):店側の問題
  • 完全駆除出来ないような施工をしている(D):業者側の問題
  • 完全駆除出来ない未熟な技術者が作業している(D):業者側の問題
  • 完全駆除が出来ない効果判定をしている(ピントのズレた効果判定をしている)(C):業者側の問題
  • 完全駆除出来ないような設備構造上の問題(ハード面の対策)を放置している(A):店側の問題
  • 完全駆除出来ないような環境整備(ソフト面の対策)を怠っている(A):店側の問題
  • 完全駆除をするための提案をしない、聞かない、対応しない(A):双方の問題)

そこで、これに基づいて、その理由をお店と業者の双方で話し合い、次のようにすすめていくことが有効な手段となります。

ゴキブリの完全駆除をするために必要なこと
  • 完全駆除に向けた仕様の再設計(何故完全駆除が出来なかったかの原因と現状評価、改善計画の立案)(P):業者の対応
  • 完全駆除が可能なレベルの施工に増額する(P):店側の対応
  • 完全駆除が可能な施工手法に切り替える(使用薬剤や作業方法、作業箇所の見直し)(D):業者側の対応
  • 完全駆除が可能なスキルや知識を備えた技術者に変えてもらう(D):業者側の対応
  • 完全駆除のため効果判定の精度を高める(C):業者側の対応
  • 完全駆除が可能なように、設備構造上の問題を補修、改善する(ハード面の対策)(A):店側の対応
  • 完全駆除が可能なように、環境整備、清掃強化を行っていく(ソフト面の対策)(A):店側の対応
  • 完全駆除が可能な対策提案を行い、その導入について協議していく(A):双方の対応

いかがでしょうか。
これで少しは、ゴキブリ駆除に関する駆除業者とお店との齟齬が埋まっていただければ幸いです。

では次回は、業者の選定においてどこをチェックすべきか、についてプロ目線から解説していきたいと思います。
それでは。