★公開日: 2022年6月16日
★最終更新日: 2022年6月16日
- 飲食店のゴキブリを確実にゼロにしたい
- 出来るだけわかりやすく、かつ効率のいいG対策をしたい
- であれば「GDCA」以外にG対策はありえない、とそこまで言う理由が知りたい
「プロが飲食店に教える完全ゴキブリゼロ(Gゼロ)対策」。
このブログはこれまで、最初から順番に読み進んでいくことで、ほとんどのGの知識がなくても取り敢えず、どうすれば最速最短でGがいなくなるのか、少しの努力によって業者依頼コストをどう削減できるのか、がわかるようにプロが作成してきました。
そしてそのための具体的な方針として、このブログでは一貫して「飲食店のGゼロ対策はGDCAで断固進めるべきだ」と強く訴えてきました。
そして事実、この「GDCA」というゴキブリ対策のステップは、ぼくが20年以上かけて勤しんできたゴキブリを含めた虫対策、さらには食品の衛生管理における根幹、奥義、極(G)意、ですらある考え方なのです。
というか、ぼくらからすれば、飲食店のゴキブリ対策というのは「GDCA」以外ありえません。
今回はそのあたりをより詳しく解説しながら、「何故GDCAでなければ飲食店のゴキブリ対策は失敗するのか」、「そもそもGDCAとは何なのか」について、解説していくとしましょう。
ちょっと難しくなりますが、しかし最後まで読んでいただければ、必ずや「成る程、やはり飲食店のG対策にはGDCA以外にありえない」と頷いて同感していただけることでしょう。
その自信は、専門家として強く抱いているところです。
この記事のレベル |
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Contents
執筆者紹介と本日のポイント
まずは、ご挨拶を。

…とまあ、こんなぼくがこの記事を書いてます。
さて。
今回のお話のポイントは、こちらになります。
念頭に置いて、お話をどうぞ読み進めてください。
この記事のポイント |
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それでは、早速ながら本題に入っていくとしましょう。
「GDCA」とは

目的であるお店の現状把握と、それについての今後の対応も見えてきたんじゃないかな。

難しくても頑張ります!

さて、この「GDCA」については、このブログの第一回目に、「簡単に」解説いたしました。
でもそれだけでは「GDCAって具体的には何なのか」、「どうしてGDCAでなければいけないのか」、「その根拠は何なのか」、などといった問いに答えきれていないでしょう。
そこで今回は、この「GDCA」に、よりぐぐっと迫って解説していきましょう。
ちょっと抽象的だったりして難しいかもしれませんが、どうぞよく読んでその極(G)意に触れてみてください。
まず、この「GDCA」とはぼくが便宜上作った完全にオリジナルな造語です。
そしてはじめに正直なことを言うと、ここに「Gゼロ」にかけてのキャッチーさを狙っているのは、認めるところです。
そしてその元ネタになっているのは、言うまでもなく「PDCA(サイクル)」です。

Gを含めた店の「衛生管理」も「管理」なので、当然そのベースには「PDCA」があるんだにゃ。

「PDCA」と「GDCA」の違い
言うまでもないかもしれませんが、この「PDCA」というのは、以下の4つの頭文字を取ったものです。
「PDCA」とは |
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この4大要素である「Plan(計画)→Do(実行)→Check(検証)→Action(改善)」という一連のサイクルを繰り返し回すことで、改善活動を進めていくことが、いわゆる「PDCA」、あるいは「PDCAサイクル」と呼ばれています。
この「PDCA」というのは、主に製造工場での品質管理から始まった、継続的な改善方法の主要な考え方、「仕組み」です。

ちなみに、ITやら金融の世界で「PDCAはオワコン」などと言われるときを見かけます。
そっちの世界のことは、知りません。
もしかしたらオワコンなのかもしれません。
ですが、食品業界、とくに品質管理、衛生管理、食品安全の世界においてそんな世迷言を言っているまともな人は、一人も存在しないでしょう。
そのくらい、こっちの世界では重要な考え方です。
(まあ向こうの世界でもそんなことを言っている連中は、全く話にならん五流以下ばかりのようですがね)
ですからぼくら食品安全の世界では、この考え方に則って様々な品質管理の仕組みを回します。
当然ながら、虫の管理もそこに含まれるので、同様です。
ところで飲食店の経営者、あるいは衛生管理責任者のかたなら「HACCP」というものをすでにご存知かと思います。
食品衛生法上ですでに制度化されていますから、お店でも「HACCP」的な取り組みはもう導入済みのことでしょう。
そして当然ながら、このHACCPという「仕組み」の根底にも、実はこの「PDCA」というものがあったりします。
そのくらい重要だ、ということです。

さて、ぼくが提唱する「GDCA」とは、言うまでもなくこの「PDCA」をもじったものです。
でも、「P」の代わりに、ちゃっかりと「G」が入ってます。
そしてこの「G」は「ゴキブリ」の「G」でありつつ、実は「現状把握」の「G」を意味しています。
つまり、「GDCA」とはこのようなものです。
「GDCA」とは |
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まず、これがぼくがここで提唱し、「飲食店のゴキブリ対策はこれ以外ない」という「GDCA」です。

G対策の「PDCA」
「そんな誰も言わない、聞いたこともないような突拍子のない考えでゴキブリ対策なんて、本当にできるのか」
そういう疑問を、もしかしたら抱く方もいるかもしれませんね。
でも、ネタばらししてしまうと実はこれ、別に突拍子のないものでもなんでもないんです。
どころか、食品工場など大掛かりな虫対策においては、至極オーソドックスな基本的考え方だったりもするのです。
以降、解説していきます。
ぼくの本当の専門は、食品工場の虫対策であり、それらを含む異物混入対策、衛生管理です。
勿論ですが、この虫の管理の中にはゴキブリも含まれます。
そして一般的な食品工場の防虫管理は、これまたやはり「PDCAサイクル」に則って進められます。
こんな感じに、です。
食品工場のG対策を「PDCA」でステップ別に考える |
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このように、まさにPDCAサイクルを回して進めるのです。
そしてこれは実は、規模が小さくとも飲食店などで駆除業者にゴキブリ対策を依頼した場合にも同じです。
飲食店のG対策を「PDCA」でステップ別に考える |
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こんな感じですね。
このPDCAをぐるぐると継続して繰り返すことで、お店のGはどんどん減っていく。
つまり、改善活動が進んでいく。
品質管理ではこの一連の改善活動を、「スパイラルアップ」と言います。(下画イメージ)
まさに先に書いたように、「PDCA」の継続的な改善方法の主要な考え方、「仕組み」がそこにあるわけです。

ここ、後で出てくるから、ちょっと覚えておいて欲しいにゃ。

「PDCA」が機能しないのは「Pがダメ」だから
さて。
今ここで「PDCA」は「継続的な改善方法の主要な考え方」だとぼくは説明しました。
ですが何においても弱点はあります。
それは、この「PDCA」は「継続的な改善方法」ではあるものの、その導入時にコケるとその「継続」がスムーズに進まない、ということです。
そう、「PDCA」唯一の弱点は、そもそも「Plan(計画)」の設計がダメだとそこから全部ダメダメになってしまうことにあります。
しかもその「Pがダメ」かどうかは、一連の活動をやってみて効果がない、となるまで大概はわからないのです。
うーん。
弱点、と「わかりやすさ先行」で言ってしまいましたが、これにはちょっと語弊がありますね。
というのも、そもそもからして「PDCA」とは、あくまで「継続的な改善方法」であって、「改善活動の導入方法」じゃないからです。
つまり、目的が違う。
「PDCA」とはいかに改善活動を継続して進めていくか、ということを目的とした「仕組み」なので、その仕組みの「導入」にはまた別の違う仕組みが必要だ、ということです。
だから、もしお店などで知識のないままこの「Plan(計画)」を初心者が作った場合、そのPDCAサイクルはうまく機能しなくなります。
「PDCA」をうまく導入させる「仕組み」がないので、どうやって「Plan(計画)」を立てればいいかわからないからです。
わからない「Plan(計画)」のもとで「Do(実行)」を行っても当然ですが、わかってないので効果が出ません。
勿論、「Check(検証)」もわからないので効果がないし、何が間違っているか検証もされないので「Action(改善)」が進むわけがない。
こうやって多くの飲食店で、虫の対策の知識もなくG対策の改善活動PDCAを行ってしまうと、どうなるか。
「よくわからないけれど、これやってみるか」とやみくもな「G対策(P)」を行ってしまい(D)、その場限りでろくに効果判定もせず(C)、だから問題もそのままになっている(A)
…という結果になってしまう。
飲食店でのセルフG対策が失敗する主な理由 |
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とまあ、これが最も多い「飲食店のセルフG対策の失敗あるある」です。
とくに、見ておわかりのとおり、この最初の導入時の「やみくもなP」が失敗の大モトになっているわけです。

実はそれこそが「GDCAのモトネタ」なんだにゃ!

「GDCA」とは実は「CAPD」のことだ
では、その「やみくもなP」による「ダメ導入」を防ぐためにはどうすればいいか。
先で食ネコが言うとおり。
「Pの導入のための仕組み」を使えばいいのです。
そこでぼくらのような防虫管理の専門家は、こう考えます。
新たに食品工場や厨房の虫対策を設計導入するときは、「PDCA」ではなく「CAPD(キャップドゥ)」、つまりは「Check(評価)」からスタートすべし、と。
そう、ここに「導入の仕組み」があるんです。

「Check」、つまりは一番最初にその現場の「現状評価」を行って、もし深刻な問題がそこにあれば、Pを始める事前に、それをつぶして「改善(Action)」しておく(A)。
そしてそのうえで、その現場に沿った「正しいPDCA」の虫対策を提案するんです。
これが、「CAPD(キャップドゥ)」を用いた虫対策の始め方、です。
「CAPD」で始める虫対策 |
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と、このような感じです。
「PDCA」が「継続的な改善方法」であるのに対し、「CAPD」はいわば「改善活動の導入方法」です。
だからこの後は、「PDCA」という「継続的な改善方法」にシフトしてあげればいいわけです。
どうでしょう。
そろそろ、見えてきたのではないですか?
ぼくがここで提唱している「GDCA」とは、まさしくこの「CDPAで始める虫対策」そのものなのです。
このほうが、何もわからずやみくもに何らかの対策をいきなり行うよりも、ずっとずっと適切だから効果も効率もずっと高い、というわけです。

そして実はこの「G:現状把握」のなかに、「CAP」までの要素と機能が含まれています。
こうして、G対策を実行していくと、導入がしやすくなる、というわけです。
具体的には、このような内容です。

極めて基本的なG対策「GDCA」
もう少し「ネタバラシ」をしていきましょう。
実を言うなら、この「GDCA」はどこの一般的な専門業者でも「ある程度」行われている、極めてオーソドックスなG対策の基本だったりします。
つまり「G:ゴキブリの現状把握」は、専門業者ならばどこだって一番最初にすべき事柄なのです。
まずお店が専門業者に連絡すると、業者は現場を下見します。
この「現場を下見」が、実は「G:ゴキブリの現状把握」です。
まあ、こんな状態かと、彼らは経験値と職人的な感覚でその度合を察します。
やがてまもなくその専門業者から、こういう作業を行いますからこのくらいかかります、と見積が届く。
この段階ですでに彼らの「G:ゴキブリの現状把握」は終わっています。
じゃないと、何をすべきか、その見積自体が作れないから、です。
そう。
「GDCA」なんて、実は何ら珍しくない極めて真っ当なG対策の流れなのです。
ただし彼ら駆除業者は、このような品質管理の工学的な知識を持ち合わせていないので、そうは言いません。
ですが、ぼくがここで言っていることは、ごく一般的な専門業者が行っているG対策を体系的に解説し、ステップで伝えているだけに、実は過ぎない。
実はこれが、長年、防虫管理や食品衛生の世界で生きてきた、ぼくならではの手の内だったりします。


まとめ
今回は、「GDCA」とは一体どんな考え方なのか、を解説させていただきました。
この記事のポイント |
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いかがでしょうか。
ここまでネタをあかしてしまうと、「なーんだ」と、もしかしたら思うかもしれませんね。
でも、このようなそもそもからして「CAPD」を用いた虫対策の始め方なんて、どこも誰も言ってないでしょ?
実はこれは、ぼくが大手PCO時代に仕様設計の部門で組み上げた考え方だったりします。
なので、最先端の大手PCO企業では、このような考え方に則って防虫対策をしています。
ですからこの「GDCA」は、そんなぼくが飲食店向けに「最先端のG対策メソッド」としてカスタマイズしたものです。
そのもとになっている考え方が、品質管理の基本である「PDCA」の導入方法、「CAPD」を用いた虫対策の始め方だというわけです。
さて。
今回はかなり専門的なお話となってしまいました。
というのも、どこかでこの「GDCA」のメカニズムの解説をしておかなければなかったからです。
次回は、このGDCAの中身がどうなっているか、何をしていけばいいか、について解説していきたいと思います。それでは。