★公開日: 2022年6月1日
★最終更新日: 2022年6月1日
- 店内のゴキブリを確実にゼロにしたい、飲食店の方
- でも一体何から始めればが判らない飲食店の方
- そもそもお店のゴキブリの生息レベルがどの位か判ってない方
「プロが飲食店に教える完全ゴキブリゼロ(Gゼロ)対策」、2回目となります。
前回を踏まえてのお話となりますので、まだ前回を見てないよという方は、そちらからご覧下さい。
では、2回目。前回お話した「GDCA」をいよいよ、具体的に進めていくとしましょう。
「自分の店の「G生息レベル」をG己レビューしよう」です。
この記事のレベル |
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執筆者紹介と本日のポイント
まずは、ご挨拶を。

…とまあ、こんなぼくがこの記事を書いてます。
さて。
今回のお話のポイントは、こちらになります。
念頭に置いて、お話をどうぞ読み進めてください。
この記事のポイント |
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それでは、早速ながら本題に入っていくとしましょう。
GDCAの「G」から始めよう
はい、前回までの簡単なおさらいです。
まず、飲食店でG対策、ここでいう「Gゼロ」を目指したいのであれば、「PDCA」ならぬ「GDCA」を進めることが一番手っ取り早い、というお話をしました。
そして「GDCA」とは、「G(現状把握)→Do(実行)→Check(検証)→Action(改善)」という一連のサイクルに則って駆除対策を進めていけばいい、とお話しました。
「GDCA」とは |
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というわけで、「GDCA」で始めるGゼロ対策。
まずは「G:現状把握」から始めていくとしましょう。

「G:現状把握」の3段階とは

でも実際にその「G:現状把握」をどうすればいいのでしょうか。
1:ヒアリング(聞き込み調査)
2:インスペクション(目視調査)
3:トラップ設置(捕獲調査)
の3つの調査を行うんだ。

ぼくら虫の専門家が、G対策として現場に入るときに、最初に何をするか。
それは「ヒアリング(聞き込み調査)」と「インスペクション(目視調査)」、そして紙製のゴキブリ用の捕獲トラップを設置してどのくらいGが捕れるのかを調べる「トラップ設置(捕獲調査)」です。
この3つの調査をもって「初期診断調査」、と一般的なPCO業務で区分されることが多いでしょう。
「G:現状把握」のための「初期診断調査」とは |
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ですからこれらを簡単なかたちにアレンジしたものを自分で行うのが、「GDCA」の一番最初、「G:現状把握」です。
こう3つ書き並べるとなんか難しそうですが、まあ、実際のところ、なんということはありません。
例えば、2つ目の「インスペクション」とは、「目視調査」のことです。
つまり現場がどのような状況で、どこに問題が潜んでいるのか。
簡単に言えば、どこにどのくらいGがいそうなのか、自分の目で見て確認するのです。
一方で最初の「ヒアリング」なんて、もう単純。
お店の人に、「ゴキブリどのくらい見ます?」「どこで多いですか?」と単純に訪ねてまわる、それだけです。
何故なら、結局一番そこにいることの多い従業員さんや店長さんこそが、つまりはあなたこそが、一番現場を知っているからです。
プロのぼくらですらこうなので、それを自身で行えばいいのです。
やっていること自体は、ここまでは難しくはありません。

ゴキブリをどのように「見る」か

大丈夫。
ぼくが誰にでも出来るように簡単にアレンジしたものがある。

若大将はゴキブリを、どのように「見る」のか。
これが調査の1つ目、「ヒアリング(聞き込み調査)」にあたる。
いわば、自分で自分に「ヒアリング」するんだよ。

現状把握のための「初期診断調査」、最初の1つ目は「ヒアリング(聞き込み調査)」です。
これはプロが現場の従業員さんに、ゴキブリの生息がどのくらい進行しているのかの目安にするために行うものです。
だからこれを自身で自分に行うようなイメージです。
そうやって自分のお店を「G己レビュー」してみるのです。

でもどうやって「G己レビュー」すればいいか、わからないと思いますよね。
そこでその評価を、こうやって次のような4段階の「G生息レベル」に分けて考えてみることにしましょう。
G生息レベル |
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いかがでしょうか。
このように区分してみると、自分のお店の状況がどの段階のレベルにあるのか、いいのか悪いのか、それを含めてちょっと見えてきますよね。
すると次にやるべきことが、少しずつ見えてくるんじゃないですか?

実はこれこそが「G:現状把握」の目的なんだにゃ。
次のアクションプランは

これでいうと、ウチは「見かける」ですね。
では、次に進んでいくとしよう。

これらの4つの「G生息レベル」のどこに属するかによって、次にすべきことが見えてきます。
これは言ってみれば、体の具合がどうも悪い、こりゃ病気かなと自覚した場合、どう病状の段階が進んでいるか、と考えてみると判り易いかと思います。
あなたは次に何をすべきか |
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「よく見る」、つまりは「ほぼ毎日、生きたゴキブリを複数、見る」という場合、これはもう「即対策レベル」です。
病気で言うのであれば、かなり病状が進行し、悪化ている、という状況です。
その場合、悠長なことは言っていられません。
即手術が必要、となるでしょう。
この場合、自己流でオペをしよう、とはなりませんよね。専門医に頼みますよね。
ここはやはり、専門の業者に駆除依頼をお願いすべきでしょう。
また「見かける」、つまりは「1週間内に、生きたゴキブリを複数、見る」という程度であれば、「要対策レベル」。
そこまで病状は進行していない。でも何らかの対策が必要になっている状況です。
場合にもよりけりでしょうが、病院での診察を受けることなく薬局で薬を買って飲む、つまりは自分で何とかする、という方法もあるかもしれませんね。
その方法も、後日記事に書いていくのでご安心を。
勿論、そうはいっても「思いの外に深刻だった」というケースも多々考えられます。なので、ここからはさらなる状況確認が必要になります。
また「見た」、つまりは「1ヶ月以内に、生きたゴキブリを、1匹見た」という場合。これは「経過観察レベル」。
これはまた別にお話しますが、発生していない、たまたま入り込んだものを見た、というケースが考えられます。
薬の処方までは必要ないけれど、経過観察が必要だ。
そこで「モニタリング」を続けよう、ということになります。
この「モニタリング」については、また後に詳しく記事を書きますが、時折病気にかかっていないかを調べる「定期検診」くらいのものだと、今のところは思っておいていただければいいです。
そして「見ない」のであれば、これは「良好レベル」。
いたって健康ですから、時折の健康診断は必要ですが、現状の対策を行う必要はないでしょう。

そういう意味で、G駆除業はお店のお医者さんみたいなものと考えると判りやすいにゃ。

まとめ
今回は「GDCA」のうちの「G」、つまりは「G:現状把握」についての、3つの調査のうちの一つ、「ヒヤリング(聞き込み調査)」を自分自身に行う、ということについてお話しました。
改めて今回のポイントをまとめておきましょう。
この記事のポイント |
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そして、こうしてゴキブリをどのように「見る」かによって、自身のお店の「G生息レベル」を明確にします。
G生息レベル |
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さて、今回のお話はここまでなのですが、最後にほんの少しだけお話を進めておきますね。
この「G生息レベル」のレベル分けには、一体どんな根拠に基づいて造られているのか。
実はこれ、ゴキブリの「内部発生」の進行状況と「外部侵入」の侵入頻度のかけ合わせ、なんです。

「………えっ?
ちょ、いや、あの、ちょ………
内部発生!?
高薙先生、最後になっていきなり何やら小難しいことブッこんできたぞ!?」
おっと、そう思いますかね。であれば、専門家が言っている「そういうものだ」とスルーしていただいても結構です。
大丈夫、あと数回ほど先の記事で、詳しくまた解説していきますから。
さて、自分のお店のG生息レベルがわかれば、すべきことも見えてきます。
あなたは次に何をすべきか |
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ちなみに「即対策レベル」は、もう待ったなしで今すぐ業者依頼の覚悟を決めましょう。
病気と同じで、早期治療、早ければ早いほうがいいものです。
ですが、それ以外であれば、落ち着いて、もう少し調査を進めることにしましょう。
だって初期診断調査は、まだあと2つ残っています。
「インスペクション(目視調査)」と「トラップ設置(捕獲調査)」でしたね。
この2つを行ってから、どうするかを考えても遅くはありません。
さあ、次からは、その残る調査方法について、お話していきましょう。それでは。