★公開日: 2022年6月11日
★最終更新日: 2022年6月11日
- 店内のゴキブリを確実にゼロにしたい
- だからGトラップを既に用意して、捕獲調査をしようとしている
- でもこれを具体的にどう設置すればいいか判らない
「プロが飲食店に教える完全ゴキブリゼロ(Gゼロ)対策」、今回で6回目となります。
このブログのいいところは、最初から順番に読んでいくとほとんどのGの知識がなくても取り敢えず、どうすれば最速最短でGがいなくなるのか、少しの努力によって業者依頼コストをどう削減できるのか、がわかることです。
そして現在のところはといえば、「初期診断調査」において実際の「捕獲調査」を丁度ここから始めるところです。
流れで言うとこんな感じになっています。

なお、いきなりここに来てしまった方は、出来れば前回にまで戻って読み直していただくと一応この調査が出来るようにはなっています。
では、6回目。
皆さん、お手元にGトラップはお届きでしょうか。
ではこれよりGの「捕獲調査」の実際の取組みについて今回はお話いたします。
この記事のレベル |
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Contents
執筆者紹介と本日のポイント
まずは、ご挨拶を。

…とまあ、こんなぼくがこの記事を書いてます。
さて。
今回のお話のポイントは、こちらになります。
念頭に置いて、お話をどうぞ読み進めてください。
この記事のポイント |
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それでは、早速ながら本題に入っていくとしましょう。
用意したGトラップを設置しよう
まずは簡単に、G対策のための「初期診断調査」のメインとなる「捕獲調査」の流れから解説します。
前回にもお話しましたが、主な流れはこの通りです。
「捕獲調査」の流れ |
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と、細かく一つ一つの手順を区切るとこういうなるですが、おおまかに言うのであれば。
トラップの「①用意(1と2)、②設置・回収(3と4)、③評価(5と6)」、となります。
よって今回は、その「トラップの②、設置(3)と回収(4)」についてのお話です。
つまり、前回でご用意いただいたGトラップをどのように使い、どう設置すればいいのか。
この具体的なアクションプランについてお話しましょう。

トラップ設置に必要なものを用意する
(前回から3日ほどして、高薙が居酒屋「日本海」に寄った夜のこと)

届きましたよ、AmazonからGトラップが。
人間の病気と同じで、Gの生息は一日でも早く知ったほうがいい。
寧ろ人の病気よりGの生息の進行スピードは早いものだからね。

ではここからが、お手元に届いたGトラップの設置編、です。

実際にGトラップを揃えてはみたものの、こいつら一体どうすればいいんだ。
一般の飲食店の方々ならそう思っても、何ら不思議ではありません。
でも、大丈夫。
ここではそれらの対応を、一から解説いたします。
まず貴方が最初にすべきこと。
それは、次のものの準備です。
捕獲調査で必要なもの |
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前回の後半のほうでお話していた、これらは手元にあるでしょうか。
まずはこれらを揃えることから、トラップ設置は始まります。
それと、これまでで出された「Gの巣疑惑ポイントリスト」もありますね。
ここに今回は、トラップの連番ナンバリングを、どこに仕掛けたかでリンクさせて記入していきます。
例えば、冷蔵庫モーター部周辺にGトラップNO.3を仕掛けるなら、リストの「冷蔵庫モーター部周辺」にも、NO.3と記載して、紐づけておく必要があります。
じゃないと、あとで回収のときに、ごっちゃになってしまうからです。
あ、でもこれらは、(前回も書きましたが)わざわざこれらを新調する必要は、全くありません。
ありあわせ、流用で十分です。
ていうかそんなコストは、もっと別のところに注ぎましょう。

トラップにはナンバリングを

そして、そのトラップに用意した油性マジックペンで、今日の日付と、あとNO.を記入する。
まずは最初の「1」だ。
まずは一つ、Gトラップとは一体どういうものであるか、試しに実際に一度組み立ててみるといいでしょう。
慣れればごく簡単です。
ぼくらはもう手探りだけで数秒で形にします。
そして、もう一つ。
上でも書いたように、トラップには、日付に加えて「ナンバリング」を連番で入れていく。
これはトラップ調査の基本です。
というのも、トラップはただ仕掛けることが目的ではありません。
そのトラップの捕獲状況がどうであったのか、そこから何が読み取れるのか。
そのためには、トラップの明記が最低限、必要になります。
そこで各トラップにはナンバリングをしていくのです。
いわば、そのナンバーとは、その「Gの巣疑惑ポイント」のナンバーなのです。
それもあってこのナンバリングは、先にリスト化された「Gの巣疑惑ポイントリスト」とリンクしてメモに記載していくといいでしょう。


トラップを実際に設置する

でも、これを実際に設置する、となるとどこにどう設置すればいいのか…。
まず基本として、「Gの巣疑ポイント」のすぐ近くに置かないと意味がない。
これ、凄く重要なのにも関わらず外しているケースが結構多いんだよ。

今回の設置のお話で、最も獣医用なこと。
それがこれです。
「Gトラップは、必ずGの巣疑惑ポイントのすぐそば(半径50cm内)に設置すること」。

市販の「ゴキブリホイホイ」にせよ、あるいは飲食店や工場などのモニタリングでも言えることですが、こうした虫調査用のトラップというのは、「虫の発生箇所の近く」に設置する、ということがまず何よりの鉄則です。
理由はごく簡単で、じゃないとその状況を把握できないから、です。
そもそも「G:現状把握」のためにトラップを用いて「捕獲調査」をするのに、その捕獲がままらなくて「把握」できないのでは、全く意味がなく本末転倒です。
にもかかわらず、時折、何の考えもなくぽんとそこらに「ゴキブリホイホイ」を置いているお店があったりしますが、これではゴキブリは捕獲されません。
捕獲されない、というよりは「どこで発生しているのか、どのくらい発生しているのか、これでは把握することが出来ない」ということです。
今ぼくらがすべきは、何でしょうか。
目的は、「G:現状把握」です。
そのための手段としての、「初期診断調査」であり、そのための一連の手法としての「捕獲調査」です。
だからこれが「現状」を「把握」出来ないと意味がないんですね。
そのためには、「問題」であるGの巣がどうなっているのか、をトラップに反映させる必要がある。
だからこそ、すぐ近くに置かないといけません。
ここが重要! |
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では、どのくらいの場所に於けばいいのか。
少なくとも今、ぼくたちがこのお店で現状相手にしようとしている種のゴキブリ(チャバネゴキブリ)は、巣から余り移動することのないゴキブリです。
ですからそれらの生息を確かめるには、いくら遠くてもそれらの巣の1m範囲内に置いてあげる必要があります。
いや、1mでも正直、相当遠いですね。
せめて、半径50cmまで。こうしておきましょう。
できるだけ、近ければ近いほど、その真偽が確認出来るからです。
つまり、「Gの巣疑惑ポイント」の疑惑を調べるためには、そのポイントから半径50cm内の箇所にトラップを配置してこそ、その疑惑の真偽がトラップとして反映出来るというわけです。

これ、今回一番重要なポイントにゃん!

具体的な設置箇所例
ではどういうところに、プロは仕掛けるのでしょうか。
以前の「Gの巣疑惑ポイントリスト」について、少しばかりか投げてみるとしょましょう。
ありがちチェックポイント:Gの巣疑惑ポイントはここだ |
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このように。調査トラップを次々と仕掛けていくとともに、ナンバリングを行い、その番号をリストにも記入して紐づけていきます。
とくにコールドテーブルは代表的なG生息箇所になりやすいのでぜひともその対象にして欲しいポイントです。
…といっても、よくわからないかもしれませんね。
少しばかり写真で解説します。

これは楽天市場さんにて販売されていた、厨房施設業界では高シェア率と性能の高さで知られる大手HOSIZAKIさんのものです。
この赤矢印の中にモーターが収納されていて、メンテナンスなどはこのカバーを明けて行います。
そしてかなりな頻度で、ゴキブリはこの中に巣を作ります。
ゴキブリの巣の代表的ポイントです。
そこでまずコールドテーブルのモーター部のカバーを開くか外すかします。
するとその内部に、ファンや液晶パネルなどがあるのですが、そのパネル上に乗せられるタイプなら、そこに配置することが出来ます。
そもそも扉や蓋が存在しない、開けても隙間がない、という場合にはその側面に養生テープで固着することになるかもしれません。
ちなみにこのGトラップは、逆さにしない限りは、縦横いずれに設置して可能です。
ぼくらプロもしばしば、これらのトラップを設置環境の都合から縦置きにして使うことも何ら珍しくありません。

接触すれば機械の故障や引火の心配もあるからにゃ。
ついでにもう少し具体的なポイントを教えていくとしましょう。
以下同じく、楽天市場さんにて販売されていた大手HOSIZAKIさんのものです。

冷蔵庫の場合は、この上の部分。
このカバーの中にモーターがありますので、ここにトラップを設置します。

製氷機なら、この下ですね。
この場合、ビス止めされていて簡単には開かないことも多いので、トラップを裏や横の床面に置くか、水で濡れてしまうようであれば、養生テープにて横に固着するといいでしょう。

ガステーブルの場合、このように下にものを置くスペースがあればそこに置いてかまいません。
ただし、水や油のかかってしまわない場所を選定するようにしてください。
こうしたものがない場合、裏側などに置くこともあります。
ただしトラップは紙製なので、燃えたりする危険のないところをくれぐれも選んでください。
回収期間は1週間を目安にする

そしてその捕獲結果にもとづいて、今後どんな対策を取っていくかを考えればいい。
ありがとうございます。


尤もそこまで深くは知らなくて、いい。
やっつける相手がどんなものなのか、その基本的なところだけは知っておいたほうが今後のためにもいいからね。
というわけで、さあ設置さえしてしまえば、あと1週間はその捕獲期間。
そしてその後に回収です。
回収作業自体は、それほど難しいものではありません。
用意したゴミ袋にトラップを番号順に回収し、漏れのないようリストでチェックする。
おっと、回収トラップはまだ処分しないでくださいね。
いっくらGが一杯捕まっているとしても、次の「生息評価」だけは欠かさずするようにしてください。
でないと、何のために設置したかがわからなくなります。
さて次はこれらの捕獲結果をもとにして、いよいよ敵の基地(巣)の存在と規模が判ったところで、G駆除作戦を立てていくことになります。

Gでも何でも虫は「いるところ」を「叩いて」こそ意味があるんだにゃ。

まとめ
今回は「G:現状把握」における「捕獲調査」について、トラップの設置・回収をどのように行うのか、お話いたしました。

改めて今回のポイントをまとめておきましょう。
この記事のポイント |
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いかがでしょうか。
お店によって色々と事情は違うでしょうが、うまくトラップの配置が出来たでしょうか。
ではそれを置いて1週間、Gの捕獲結果を待つわけですが、ちょっとここで…あれれ?
そういえば高薙先生が、何か上でぽつりとお話していましたね。
そう。
「ゴキブリの勉強」です。
いや、わかります。わかりますが、落ち着いて聞いてください。
ほんのサワリだけでいいのです。最低限の基本だけ押さえておくだけでいいんです。
何故ならば、これを知らないと、今後のG対策にズレが生じて、折角行った効果の意味がなくなってしまい、その結果Gゼロには遠のいてしまうからです。
というわけで、次回はトラップ設置の間に行っておく、楽しい楽しい「ゴキブリの勉強」でーす!
それでは。