★公開日: 2022年6月12日
★最終更新日: 2022年6月12日
- 飲食店のゴキブリを確実にゼロにしたい
- でもGは正直、苦手だ
- 出来るだけわかりやすく、かつ効率のいいG対策をしたい
「プロが飲食店に教える完全ゴキブリゼロ(Gゼロ)対策」、トラップを設置する1週間の間、ここで少しばかりのブレイクです。
このブログはこれまで、最初から順番に読み進んでいくことで、ほとんどのGの知識がなくても取り敢えず、どうすれば最速最短でGがいなくなるのか、少しの努力によって業者依頼コストをどう削減できるのか、がわかるようにプロが作成してきました。
ちなみに現在はといえば、「初期診断調査」において実際に「捕獲調査」を行ったところです。
流れで言うと、こんな感じになっています。

さて。
ここで少しばかり、「最低限の」Gの知識に触れたいと思います。
別にGの知識を深く身につけなくたってG対策は全然出来るのですが、さすがにこのくらいは知っておかないと、というレベルの基礎知識です。
でありながら、意外と巷では専門家以外は話すことがありません。
何故ならこのことは、防虫対策の専門家でないとほとんど意識しないことだからです。
ではそんな、「最低限、知っておくべきG対策の基礎」、早速始めていきましょう。
この記事のレベル |
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執筆者紹介と本日のポイント
まずは、ご挨拶を。

…とまあ、こんなぼくがこの記事を書いてます。
さて。
今回のお話のポイントは、こちらになります。
念頭に置いて、お話をどうぞ読み進めてください。
この記事のポイント |
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それでは、早速ながら本題に入っていくとしましょう。
飲食店のGは二種類いる
(トラップ設置後、数日して高薙が居酒屋「日本海」に寄った夜のこと)

あんまり虫って好きじゃないっていうか、正直苦手なんですよね。


でも、間違った対策で余分な労力やコストを使わないためにも、最低限、知るべきことだけを知ればいいんだよ。
というわけで、「最低限知っておくべき、G対策の基礎」。
それは、「飲食店のGは二種類いる」、ということです。
いや、そんなこと知ってます、他にも日本に生息するGの種類が多数あることなんて。
ぼくは防虫対策の専門家ですからね。
そんなぼくが、「この二種類だけ知っておけばいい」と言っているのです。
ではその二種類とは、何か。
それが、「クロゴキブリ」と「チャバネゴキブリ」です。
(以下、Gの写真あり)

「クロゴキブリ」とは、ぱっと想像して普通に思い浮かぶであろう、「いわゆるゴキブリ」「家のゴキブリ」です。
一般家庭などでも、普通に見るゴキブリといったら、このクロゴキブリであることが多いでしょう。

一方、「チャバネゴキブリ」というのは、飲食店で多量に発生するような、「飲食店のゴキブリ」です。
こちらはあまり一般家庭では問題になることは(都心などではないわけではないけれど)余りなく、飲食店特有のゴキブリです。

「飲食店のゴキブリ」であるチャバネゴキブリは、クロゴキブリよりも小柄で薄茶色。
寒さには弱いため、店内の温かいところにまとまって集団で巣を作って生息しています。
それぞれ生態の違いなどがあるのですが別にそこまで覚える必要は、今はありません。
とりあえず、こういう特徴があるのだ、とまずは知っておいてください。
Gは二種類いる |
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「外部侵入」と「内部発生」

でもそれは単なる不安の煽りであって、実は専門家からすれば「半分正しくて、半分間違っている」んだ。
どういうことですか?


それが「外部侵入」と「内部発生」という考え方なんだ。

じゃないと、折角のG対策が無駄になってしまいかねない。
ぼくの専門である防虫対策は、Gに限らずある虫が店の中にいるという、その「生息」という現象に対して、何故そこにいるのか、その「要因」についての2つの考え方が存在します。
それが、「外部侵入」と「内部発生」です。
この虫が、自然界である外から入ってきた、つまりは「外部侵入」なのか。
それとも、最初に店の中に入ったGが卵を生んで、そこから生まれたという、店育ちの「内部発生」なのか。
店内の虫を「生息要因」で区別する |
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この、虫の「生息要因」で区別するということが、実は防虫対策の最大のキモであり、最も重要なポイントなんです。
なぜそれが重要なのか。
それは防虫対策、つまり「虫の生息を防ぐ」ためには、その「生息要因」を防がないといけないからです。
そして当然ですが、「生息要因」が違えば、対策は変わってきます。
「外部侵入」の虫に対して、いくら店を掃除するなどの「内部発生対策」をしても効果は薄くなります。
また逆に店の中で「内部発生」している虫に対し、いくら壁の隙間を防ぐなどの「外部侵入対策」をしても、効果はありません。

つまりその虫が、「外部侵入」なのか、それとも「内部発生」なのか。
これを見分けることは非常に重要なのですが、そこが実は専門家にしかなかなか出来ない。
これが防虫対策の難しさなんです。
にも関わらず、そうした知識のない一般の方々は、何か虫を見つけると、すぐにそれが「発生」している、と決めつける。
つまり、「1匹いたら30匹いる」と短絡的に思い込んでしまいがちです。
でもそれが「内部発生」という「生息要因」なのかどうかは、実はそんな簡単に決まるものではありません。
なお、これについては、別のブログになりますが、ぼくがもう少し踏み込んで書いた記事があります。
ご興味があれば、こちらを読んでいただければより理解が深まるかと思います。

Gの種類で「生息要因」を分けるべし
さてこれらは一般的な虫の対策の話なのですが、ではゴキブリの場合はどうなのか。
嬉しいことに、ゴキブリの場合は、割とシンプルです。
「チャバネゴキブリ」、つまり「飲食店のゴキブリ」はほぼほぼ「内部発生」だと思っていいでしょう。
しかもチャバネゴキブリは集団で生活するので、店のどこかにこいつらが集団で潜んでいる「Gの巣」があります。
この場合、「1匹いれば30匹いる」という意見は、高確率で正解です。
だからこの「チャバネゴキブリ」がいる場合は、これまでのように「Gの巣」を探し出して、それを叩くという「内部発生」対策が必要になります。
ここでずっと書いてきたことですね。
しかし一方、「クロゴキブリ」、つまりは「家のゴキブリ」がいる、という場合。
こちらは、どちらかといえば単体での活動が多いため、「外部侵入」のケースがほとんどです。
この場合、外から入ってくるのですから、入ってくる箇所を防ぐような「外部侵入」対策が必要なのですが、一般の家庭でGを見たとなった場合、「1匹いるんだからあと30匹いる」と不安になって認識を見誤った結果、自宅全体の駆除施工にはやる、つまり「内部発生」対策に走ってしまうような方も少なくありません。
これは完全に、その「生息要因」を間違えてとらえていることから生じる対策ミスです。
実際、そんなクロゴキブリがぞろぞろと30匹が群をなして家や店の中に入ってくることはそうそうありませんし、「いや卵から生まれたに違いない!」と不安になるのもわからなくはないですが、その場合、連続でのG目撃が相次ぐことになります。
そうした目で、もう一度先の、二種類のGの特徴を読んでみてください。
すると、Gの種類によって何をすべきか、が違うことがわかるはずです。
Gは種類別に対策が違う |
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例えば、こういう一般宅でのG(クロゴキブリ)のイメージを一般の主婦の方々などは思うのかもしれませんね。
1匹いたら30匹いる、というと、およそこういうイメージなのでしょう。
でもこれは色々な意味で、何も知らない人が作った画像であることが非常によく伝わります。
第一に、そもそもゴキブリは移動の際に触覚が触れる端側を好みます。
ましてや、こんなふうに真ん中を堂々とゾロゾロ行進なんてしません(笑)。
第二に、クロゴキブリは単体での行動が主ですから、ここまで徒党を組んでの集団で何かに向かうなんてことは、相当に稀です。
そして第三。
ここでの話に繋がりますが、こんないっぺんにクロゴキブリが大量に家のなかに「外部侵入」してくることは、ほとんどありません。

ぼくのお店では「チャバネゴキブリ」が「内部発生」している、という状況なのですね。
だからチャバネゴキブリの「Gの巣」を見つけ出し、そこを叩くという、「内部発生」対策がここでは必要なんだ。

まとめ
さて、今回は基礎知識として、「生息要因」でGを分ける、というお話をさせていただきました。
今回、押さえていただきたいポイントは、ズバリこれにつきます。
Gは種類別に対策が違う |
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そして。
飲食店でのG対策といったら、まずは「チャバネゴキブリ」の対策となります。
勿論、クロゴキブリも問題にならないわけではありませんので後にも扱うことにしますが、ひとまずGゼロ対策としてこれまで書いてきたことは、チャバネゴキブリについての話だと、ここで押さえてください。
さあ、このようにGの種類を解説したので、今回以降からは、ゴキブリに対してそれぞれ「チャバネG」「クロG」と称して解説していくことにします。
よって次回は、店内のチャバネGのトラップ捕獲調査の結果に対する内部発生状況の評価について、お話いたしましょう。
それでは。