★公開日: 2022年8月3日
★最終更新日: 2022年8月3日
- 飲食店のゴキブリ駆除を専門業者に駆除を依頼したい
- 出来るだけ安く、効果のある業者に賢く依頼したい
- でも何処にどうやって頼めばいいか判らないから、一から全部プロに教わりたい
「プロが飲食店に教える完全ゴキブリゼロ(Gゼロ)対策」。
今回は、専門業者に依頼する際には、何処にどのようにどうやって頼めばいいか、そのポイントなどをプロの立場からお教えいたします。
皆さん、害虫駆除業者なんてどこも同じだろう、なんて思っていませんか?
であればそれは大きな間違いです。
それぞれの業者には特徴や得意なジャンル、得意なやり方などが様々あって、全くそうでないところに依頼してしまうと、効果が全くないということにもなりかねません。
そこで今回はプロとしての立場や目線から、一体どのような業者に頼めばいいのか、またそれは幾らくらいかかるのか、そして彼らは何をしてくれるのか、またお勧めの業者選びまで、全てお話していきたく思います。
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Contents
執筆者紹介と本日のポイント
まずは、ご挨拶を。

…とまあ、こんなぼくがこの記事を書いてます。
さて。
今回のお話のポイントは、こちらになります。
念頭に置いて、お話をどうぞ読み進めてください。
この記事のポイント |
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それでは、早速ながら本題に入っていくとしましょう。
害虫駆除といっても実は様々

まず、害虫駆除業者には幾つかの「大手業者」と多くの「小規模業者」がある。
どちらにしても一長一短だから、各々の特徴を押さえておいた方がいい。

まず、一言で「害虫駆除業者」といっても世には様々存在します。
害虫、あるいはネズミなどの害獣、これらをまとめてぼくらの世界では、「有害生物」と呼んだりします。
そしてその「有害生物」の駆除を行う専門業者のことを「PCO(ペスト・コントロール・オペレーター)」と呼びます。

そしてこれらの「PCO」、つまり「害虫獣駆除業種」にはゴキブリ駆除のみならず、ネズミ、スズメバチ、シロアリ、ハト、ハクビシン…など多くの駆除屋さんが含まれているのです。
一概には言えませんが、これらはそれぞれ、皆、専門分野が違います。
また対象市場においても、飲食店のみならず、食品工場から物流倉庫、病院、スーパーなどから一般宅まで市場は様々で、各社なりにそれなりに強い市場というのが住み分けされているものです。
よってこれらの中から、「①飲食店市場」の「②ゴキブリ駆除」という組み合わせに強いPCO業者を探して選ぶ、というのが重要になります。

「大手業者」と「小規模業者」
そしてこのPCO業界というのは、基本的に一部の「大手業者」と、それ以外の何十何百という中小、というか零細に近いような「小規模業者」によって成り立っています。
では、このような全国支店を展開しているような「大手PCO業者」に依頼するのと、小さな「小規模PCO業者」に駆除を依頼するのには、どのような違いがあるのでしょうか。
実は各々、一長一短です。
それぞれに依頼するメリットやデメリットがあります。
よってどちらが勝っている、というよりも各々の特徴を掴んで頼んだほうがいいでしょう。
まず大手業者に依頼した場合のメリット、デメリットから見てみましょう。
大手業者に依頼する場合 |
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まず大手業者への依頼はやはり、安定したサービスの提供や、最新の施工技術、様々な提案の出来る総合的な対応力の高さ、という利点があります。
しかし大手になればなるほど、「飲食店市場のゴキブリ駆除」のようなビジネスに力を入れなくなりがちです。
というのも彼らの主戦場が、例えば食品工場のようなもっと単価の高い大規模なビジネスに移るからです。
結果、多くの大手業者にとって飲食店のゴキブリ駆除というのは、どうしたって片手間仕事にならざるをえなくなります。
企業なのですから、儲からないので投資しない。そりゃあ当然です。
そこでもし選ぶのであれば、ただの大手業者ではなく、「飲食店のゴキブリ駆除に力を注いでいる大手業者」を探す必要が出てきます。

では小規模業者のほうはどうでしょうか。
どの世界でも同じことですが、このPCO業界においても、やはり高いサービスや幅広い対応、最新の技術導入や情報力などといった面でどうしても小規模業者は大手には勝てません。
では、小規模業者はどうしているのでしょうか。
小規模だからこその、という特徴を生かしてゲリラ的に戦っているのです。
小規模業者に依頼する場合 |
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と、このようにあるジャンルに特化し、それだけを行うことで高い技術力を持っているところが多くなります。
しかし、この業界も日進月歩。
新しい殺虫剤の開発も日々行われていますし、単に薬剤を多量に散布すればいいなんて時代ではとっくになくなっています。
結果、技術を磨かない小規模業者はますます大手に大きく水を開けられてしまい、時流に追いつかなくなってしまっている、というのが致し方ないとはいえ、この業界の実情です。
しかし、それでも小規模業者とはいえ、スキルを備えた専門業者というのは、それは本当に大したものです。
何故なら彼らは、一流の職人です。
それは現場でしか培えないエキスパートならではのものであり、そんな彼らにしか対応できない現場や仕事というのがあるのも、また揺るがぬ事実でしょう。

ゴキブリ駆除とは何をするのか

イメージとしてはスプレー式の殺虫剤を散布するくらいしかないのですが…。
彼らの業務は大きく4つ。
1:調査
2:駆除
3:効果判定
4:再駆除と予防、だ。
若大将が言っているのは、その2番目だけじゃないか。
この一式全てを行って「ゴキブリ駆除」となるんだよ。


一般的にゴキブリの駆除業務というのは、次の4つでワンセットです。
「ゴキブリ駆除」とはこの一式を言う |
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とまあ、判りやすくいうなら、このような流れです。
このように、調査から現状とそのための駆除計画を立て(P)、実際に駆除を行い(D)、その効果判定を行って(C)、駆除しきれなかったゴキブリを再駆除したり予防施行を行う(A)…といわゆる「PDCAサイクル」の流れのままに、「ゴキブリという問題のための改善対策」を行うのです。

ゴキブリの駆除施行とはどのようなものか
それを踏まえて、ではゴキブリの駆除施行とはどのようなものを行うのでしょうか。
一言で言えば、ゴキブリ用の殺虫剤を何らかのかたちで店内に散布、あるいは塗布、設置するなどといったかたちでゴキブリを殺すような作業を行う、というものです。
そしてこの「駆除方法」というのも、手法は色々です。
一概にこれを全て行えばいいというものでもありませんし(これ以外の方法もあります)、現場の状況や依頼費用などの必要や条件によって各社様々に組み合わせ、選定していくのですが、しかし多くの場合、このような駆除施行を行うケースがほとんどなのではないでしょうか。
一般的なゴキブリ駆除作業の手順 |
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さらに、これらにはそれぞれに使用する殺虫剤が多数、存在します。
駆除業者は、ある程度現場に合わせながら、薬剤を選定し、それを使用しています。
一般の方には判らないところなのですが、この「効果的な薬剤の選定」というのも、マニアックながらにちょっとした駆除屋の腕とセンスの見せどころだったりもします。
何故なら、これによって効果が全く違ってくるからです。
例えば、いくらベイト剤(毒餌)を仕掛けようと、その現場の環境や生息状況にあったものでなければ食べないこともざらにありますし、何でも薬剤を散布すれば死滅してくれるわけでもありません。
さて、これらの駆除施工を行った後、専門業者は生息調査用のトラップを複数設置することで、駆除施行の効果をみるとともに、ゴキブリの生息状況を「モニタリング(監視)」します。
残ったゴキブリの生息を確認するには最低でも2周間くらいはかかります。
ですから、一般的には1ヶ月ほど経ってから、業者がまた点検に来店。
そして、まだゴキブリがいるようだったら、再駆除施行を行っていく。
…と主な流れとしては、およそこんな感じです。

ゴキブリ駆除の相場は、1回数万円程度

全く見当がつかなくて、ちょっと不安なんですけど…。
ただし駆除作業が1回で終わるようなケースは、ほとんどないからね。

飲食店のゴキブリ駆除費用というのは、お店やゴキブリの発生状況、作業条件をはじめ、次のようなことから算出されることが多いです。
ゴキブリ駆除費用に関わる事柄 |
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駆除業者はこれらの条件をもとに、価格を設定し、提示してきます。
よって、その値段はまちまちであることが多いのですが、それでもそれなりの相場というのも、またあるのも事実です。
それが、1回の駆除作業で数万円、といったところです。
恐らくは、1店舗で1回の駆除施工あたりで2~5万円くらいが一般的な線引となりそうですが、でもそれ以上かかるとしても作業内容次第で、それが高いか妥当なのかは変わってきます。
また逆に、それ以下だから安いとも、その程度だとも、それだけで評価は出来ません。
ただし、時折かなりの格安価格で請け負うという業者をみかけますが、これは明らかに安すぎます。
ぼくからすれば、それで効果が出るとはちょっと思えません。
何故って当たり前ですが、そんな価格で本当のプロは雇えないからです。
そして、そういうところの技術力というのは、正直、「それなり」です。
これは別に業者が悪いのではなく、世の中「安いもの」というのは「それ相応のものでしかない」という、極めて当たり前のビジネス上での常識です。
結果、効果が出ない、あるいは一旦は減るものの、すぐにぶり返してしまう。
こういうことになってしまいかねません。
「なんというダメな業者だ!」
こういう状況に対して、もしかしたらそう思うかもしれませんが、しかしぼくに言わせるならそれは残念ながら、間違いです。
それは単に、値段相応なだけです。

駆除作業は1回じゃ終わらない

ぼくはてっきり1回来て終わりかと思ってました。


完全に殲滅することはプロだって不可能だし、いくら駆除しても卵は残ってしまう。そのための事後点検だって欠かせないからね。
だから最低でも数回の施行が必要になる。
それともう一点。
ゴキブリ駆除は1回の作業では通常、終わりません。
複数回の作業が基本、必要です。
ゴキブリ駆除が一回施工で終わらない理由 |
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ゴキブリはじめ、虫の卵というのは殺虫剤が効きません。
そのため、もし仮にその駆除作業でゴキブリが殲滅したとしても、残った卵から再びゴキブリは生まれます。
そしてしばらくすれば、再びゴキブリの巣がそこに出来ることになります。
ましてや、そこまで増加したゴキブリを1回の作業で全て殺しきる、なんてことは現実的には不可能です。
となると、生息点検も含めた複数の駆除作業が自ずと必要になります。
確かに1回駆除施行を依頼すれば、そこそこくらいには、ゴキブリの数は減少するものです。
ですがそれらの生息を止める、というためにはどうしたって複数の作業が必要になるのです。
となると、依頼費用は初回の数万円だけでなく、その後の点検費用も加わることになります。
勿論これらのことは、最初に業者から詳しい説明があることでしょう。
何の説明もなく、駆除施行を行った後に「まだこれくらいかかるからお金を払ってくれ」なんて業者は普通には存在しないからご安心ください。
以上、これらを踏まえて、実際に見積を作ってみましょう。
ある一例の駆除業者にまかせた場合の、駆除プログラムがこのようなものです。
これより安かったり高かったりはあるでしょうが、業者から出される見積内容のイメージとしては、およそこんな感じです。
ゴキブリ駆除の仕様例 |
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1回の駆除施行に加えて、点検と再駆除施行を2回。
一般的な大手PCOに依頼した場合、このくらいの見積が形は違えど出てくるのではないでしょうか。
さらには予防も兼ねた年間管理となると、毎月幾らという委託管理費用×12ヶ月、という依頼費用が必要になってくることも少なくありません。

業者のここをチェックすべし

でも最低限、こういうところは見ておいたほうがいいかもしれないよ。

依頼する前に、その業者の良し悪しがある程度判れば、依頼する側としては良いにこしたことはありません。
ですが自分の営業に都合の悪いことをうたうような業者が存在しないのは、どの業界でも全く同じことです。
そこで、例えばこんな点は、契約する前に一応駆除業者にチェックしておいたほうがいいでしょう。
このくらいのことは別に聞いたところで失礼にもあたりませんし、寧ろ業務委託前に契約者として知っておくべき情報です。
駆除業者との契約前にチェックしておくべきこと |
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いかがでしょうか。
「いやウチの見積はそこまでの料金をいただくような駆除・管理仕様にはなっていないので、こんなことまで求められても困る」というのであれば、それはそれ相応の値段のものであることを、お店側もしっかりと割り切って認識すべきでしょう。

デマ注意!ネット上で見た全く無意味な確認事項
ネットでは真偽のよくわからない様々な情報が飛び交っています。
このゴキブリ駆除の業者の選び方についても同様で、プロからすれば苦笑もの、なかには呆れるようなことも、さも本当であるかのように伝えられているものです。
専門家として、実際にぼくがネット上で見かけた明らかなデマを少しばかりピックアップしておきます。
どうぞ、このような嘘情報に惑わされないようにしてください。
これはデマ!間違った駆除業者の選び方 |
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なお、これら個々の細かい解説について(なぜそれがデマなのか等)は、以下記事にて解説していますので、そちらをどうぞお読みください。

プロがおすすめ業者を辛口レビューする
★「おすすめ業者紹介」はここから

駆除業者に依頼しようと思っても、どこを選んでいいかよく判らないですよ…。
①飲食店業界での実績がある
②最低限のスキルや手法を備えている
③極端な値段勝負ではない(しっかり駆除効果を果たす提案や作業をしてくれる)
ところを選ぶといいよ。

業界に通じたプロとして、「ここらへんは間違いない」というところを幾つか、ピックアップしてあげるよ。

さてこれらを踏まえて、この業界に長年生きる専門家のぼくが、ここらへんなら「最低限、間違いは少なそうだ」というPCOをピックアップしてみるとします。
なにせ同業にかなり近い身なので、怒られない程度の辛口でいってみましょう。
なお選択条件としては次の通りです。
「飲食店のゴキブリ駆除」業者のピックアップ条件 |
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そして、これらを満たしているのが、次のような企業です。
順不同で、挙げていくとしましょう。

大手オススメ業者①「ダスキン」:コスパ重視型
「アメリカ大手の害虫駆除業者ターミニックスと提携してて最高レベルの技術力」云々という触れ込みは、ぶっちゃけ宣伝文句でしか過ぎないので、そこは全くスルーしていいです。
そんなことよりも、この業者の特徴は、ズバリ、何より大手ゆえの幅広い対応力と細かい対応の足回り。
そして業界屈指のコスパの高さ。これに尽きます。
正直な話、ここより技術力の高い大手は、業界にいくつも存在します。
ですが、そうした大手は価格帯も当然ですが高額となります。
勿論そういう選択も正しいかと思います。
しかしコスパよくとなると、先に書いたように、「①飲食店市場」の「②ゴキブリ駆除」という組み合わせに強いPCO業者を探して選ぶ、というのがポイントです。
その点や、ネームバリューからもお勧めの一つといえるでしょう。
反面、ここは大手とはいえあくまでクリーニング業という「兼業PCO」ですから、そこへの過度なレベルへの過信はしないほうがいいでしょう。
大手ならではの対応力で、あくまでコスパよく効率よく駆除を行いたい。そういうときの選択肢としてはよろしいかと思います。
定期点検などもお気軽にしていただけるはずです。
大手オススメ業者②「シー・アイ・シー」:手堅い実力派
ゴキブリ生態学の研究者を識者として迎えている、この会社。
ここもコスパの高さとしては、よく知られた大手です。
玉石混淆のPCO内でも燦然輝くトップ数社を一軍とするなら、経営力、技術面、開発力、営業力。教育面などなど全面において彼らから大きく水を開けられるのが、二軍勢。
で、その二軍での雄を狙おうというポジションがこの「シー・アイ・シー」の業界内での現在地点です。
少なくともそのレベルを位置する程度には、PCO企業としての実力は、あります。
尤もぼくの専門である食品工場の防虫管理では、未だ「安かろう悪かろう」(数年前よりもレベルは上がってますが)な感は否めませんが、でも「飲食店でのゴキブリ駆除」については、中堅だけあってそこそこ間違いのない定評な印象です。
その他小規模業者③業者紹介サービスを利用する
小規模業者の個々の評判は、正直ぼくの耳には入ってきません。
なので「ここ」というお勧めはないのですが、しかし。
ネットというのは便利なもので、今ではそうした専門業者を紹介してくれるところもあるようです。
こうした場合は、システム上、よっぽど評判の悪い業者を登録はしていないかと思います。
(実情はよく知りませんので、各自確認してみてください)
場合によっては、こうしたネットサービスを利用するのもいいかもしれません。
>>害虫・害獣駆除業者探しサービス【EMEAO】はこちらから
まとめ
このように一口で「ゴキブリ駆除業者」と言っても様々であることがおわかりかと思います。
最後にもう一度強調しておきますが、基本的に世の中のサービスというのは値段相応です。
そのことは、ゴキブリ駆除も同様の話です。
効果がない、といってもそれはそのサービスの程度でしかない、ということもよくある話です。
他にも依頼のまえに知っておくべきことがらなども様々ありますので、どうぞこのブログの各記事を参考にしてみてください。